ひびひびもんもん

日々日々悶々と書き散らしながら

ホームベーカリーを買ったけど目的ものとは違って、四苦八苦しながらも調理したが結局失敗して泣きそうになった話。

ホームベーカリーを買った。名前はパナソニック ホームベーカリー 1斤タイプ ブラウン SD-BMT1001-T。ホームベーカリーといえば、材料さえ入れておけばパンを作ってくれるお手軽機械だ。だが、今私の目の前にあるのは熱々の"何か"の塊だった(お妙さんのダークマター的な)。まずは、機械を買うに至った経緯を説明したいと思う。それにはまず、玄米教徒の存在についてから話さねばならない。

 

玄米教徒とは

朝昼晩と玄米を食し、とにかく玄米を主食とし、玄米を擦って水にとかした玄米汁を飲み、飲食店で白米が出ようものなら無言でバックから玄米を出し堂々と玄米を食べ、白米を食べている人間を見ながら自分だけ最強の栄養食である玄米を食べている優越感に浸りニヒルに笑う。

「玄米好きだ」「玄米好きだ」「玄米好きだ」と鏡をの前で毎朝10回以上唱えており、TwitterのTLは玄米教徒グループの玄米ツイート(「玄米なう」「白ww米ww」「玄米とは学術的に〜」)で埋まっている。「ほら、玄米が優れていることは字面からわかだろ。玄と米、つまり玄人だけが食せる最強の米ということだ」そんなことを当たり前だと理解している人間が、玄米教徒だ。

現在、新潟・茨城・福島・宮城・岩手・熊本・福岡・鹿児島・秋田・兵庫・滋賀・埼玉の県庁所在地周辺に教会があり、週末には都心からの参加者も耐えない(現在は北海道での建築を画策中)。洗礼の際は、浸米(体を玄米に浸す)が主となる。信仰心が篤いので、見分けたいときは踏み米をさせると効果的である。

 

 

嘘だ。そんな人間もいるかもしれないが、私は普通に玄米のプチプチとした触感と、白米よりは優れた栄養素を持っている点から、家では玄米を食べるようにしている。普通の玄米好きだ。話が逸れた。

 

パンを食べたい

玄米は好きだが少し飽きたし、炊くのも面倒だ(うちには炊飯器がないので鍋で炊く)。でも実家からせっかく貰ったし、栄養素優れているし、どうしようかと考えた時、玄米をパンにすればいいのだと気づいた。

私は焼きたてのパンが大好きだった。焼きたてが至高。

 

ご飯でパンを作れるのでは

そういえば、昔母がご飯でパンを作っていたのであった。これはいけると思い、ネットで調べてみた。どうにも手法として2つの方法があると分かった。①炊いたご飯から作る。②生米から作る。①であれば大抵のホームベーカリーで焼けるようだ。しかし、②が可能なホームベーカリーは現状『GOPAN』だけだった。GODZIRAみたいな字面だ。

前述のとおり炊くのが面倒だった私は、生米から作れるGOPANを選択した。

 

GOPAN選び

GOPAN選びの始まりだ。最新で評価の良いGOPANである、「パナソニック ホームベーカリー 1斤タイプ ブラウン SD-BMT1001-T」を選択し、Amazonで購入。レシピを探し、ストックしながらGOPANの到着を待った。そして、待ちに待ったGOPANが着いたのだ。この日の私はるんるん気分。パン作りの為に一日空けてあった。

 

見る、作る

SD-BMT1001-Tを観察。四角柱の突起物に羽根を装着し、それを回転させる構造となっていた。生米を破壊する機構が内蔵されているはずだと期待していた私は、少し違和感を覚えた。明らかに米を擦れる構造じゃないとも思ったが、超高速で回転したりすれば何とかなるのではと疑問を抱く自分自身を騙して、生米+小麦グルテンでパンの作成に移った。レシピは下記のブログ記事の内容を参考にした。簡単に纏めると以下の通りとなる。

・玄米 220g

・水 220g

・砂糖 16g

・塩 3g

・マーガリン 10g

・小麦グルテン 50g

ドライイースト 3g

玄米100%パン完成!(ゴパン) | ちゃきっコのつぶやき - 楽天ブログ

おいしそうなパンの画像も見て、この時の私はテンションMAXだった。

 

様子見チラ

ゴゴゴゴと回転が始まった。生米が粉になる気配、ゼロ。

少し時間を置いてみる。生米が粉になる気配、ゼロ。

さらに少し時間を置いてみる。生米が粉になる気配、ゼロ。

できてなかった。擦れて無かった。只の材料の塊で、グルテンだけが粘り気を帯びていた。ネットでこの状態を打開する方法を探しつつ、機種のことも調べた。結局小麦を入れて、材料の量を調整するのが最善手に思えたが、うちには小麦は無かった。そして、衝撃(笑撃)の事実が判明した。私が買ったGOPAN SD-BMT1001-T)には米を擦る機能はついていなかった。笑い事ではない。つまり、そもそも生米からパンを生成できる機械ではなかったのである(その機能がついているのはSD-RBMというシリーズだった)

 

ミキサーで混ぜる

理想のパン像からの落差に絶望のどん底の私だったが、今ある材料を無駄にしたくなかった。考えた末、生米を米粉にできればうまくいくと考えた。ホームベーカリーからパン生地らしきものを取り出し、包丁で米を叩いた。硬すぎて、細かすぎて、とても終わる気配は無かった。八方塞がりになった私は、ミキサーに生地をツッコミ回転させた。ミキサーは途中から回らなくなった。少し水を足して、何とか回した。一応、米は砕けた。

 

焼いた

再度ホームベーカリーに生地を突っ込み、焼いた。焼けた。膨らんで無かった。頑張って全部食べた。パン? の体積が少ないせいかかなりしょっぱくって、涙出そうだった。

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(今なら分かるが明らかに水の量が多かった)

 

PNASONIC様に言いたいこと

何が「GOPAN」なんですか。擦れる機能がついてなければ只のホームベーカリーじゃないですか。ややこしい名前のつけかたしないでくださいよ。性能比較表作って表示するくらいなら、ちゃんと生米から作れるか否かも表示するようにしてくださいお願いします。

 

現在は

米をミキサーで米粉汁にして使用しています。小麦も合わせて使いつつ、何とかパンの形まで持っていっています。当初の構想からは大分離れてしまいましたが、何とか漬物石にせずに済んでます。

SD-BMT1001-Tで出来るだけ玄米の比率の高いパンを作りたいと考えていますので、ご存知の方がいれば是非レシピを教えてください。よろしくお願いします! 

 

 

『シン・ゴジラ』はリアルファンタジーとしておもしろかった

庵野秀明監督 2016年 『シン・ゴジラ東宝 119分

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ゴジラ

 

何故、シン・ゴジラ

私はあまり映画館に映画を見に行くことがありません。TSUTAYAAmazonで済ます種類の人間です。過去の『ゴジラ』、見たことはあるけど、ほとんど記憶にありません(覚えているのはモスラーヤモスラーっていうテーマソングくらい)。 そんな私もネットで大反響を受けていた本作が気になり、庵野秀明さんが監督していることを知り、PV見ておもしろそうだと思い、視聴に至った次第です。

 

どこで見た?

2016年9月4日。ジョイ品川のIMAXで、21時40分開演。レイトショーなので、1800円で済みました。何となくIMAXって凄そうな感じがしてIMAXにしたんだけど、画面がでか過ぎて見ているだけで疲れました。IMAXは後ろのほうで見たほうが無難です。でも、映像とか音響とか空間とかのレベルは高いみたいですよ。

109曰く、

映画を旅行に例えるなら、ファーストクラスで行く上質な旅。

http://109cinemas.net/imax/about.html

だそうですが、エコノミーしか乗ったことのない私には過ぎた内容だったのかも。

逸れました。

 

どんなストーリー?

ゴジラVS人類」って感じかな。一度目の襲撃では、謎の新生命体が海から現れて、東京に上陸。海から上がる際に陸上に対応できるように進化。歩きまわって、歩き回れる体にさらに進化。沈黙の後、海へと帰った。

日本は兵器で対応しようとしたが、結局できなかった。アメリカから謎の生命体の情報が渡され、相手がGODZIRAだと分かった。GODZIRAは核燃料を食べてできた生命体だった。日本ではゴジラと呼称することに決定。ゴジラへの対策をみんなで練る。

ゴジラが再上陸した。前回の体型の2倍くらいになっていた(118m)。歩くゴジラに日本の兵器をぶつける、効果無し。アメリカの兵器をぶつける、効果あり。ゴジラの口が開いて下顎が2つに分かれ、核ビーム発射。東京は焼け野原に。ビームを出しきって、その場で沈黙。

東京も人間もボロボロだけど、ゴジラ倒す為に努力。日本以外の国はみんな核弾頭を落とす気満々。沈黙の時間を割り出し、それまでに対応を考つつ、核弾頭を落とす日付を伸ばした。凍結作成実行。うまくいって、ゴジラの凍結に成功した。尻尾には人らしき影が見えた。

 

どう感じた?

興奮した。とにかく見ていて楽しかっです。

パシフィック・リム』の怪獣VS人類との戦いと似たような感じで楽しめました。笑いのシーンもあったので息が詰まらず見れて、で、やっぱりみんなで頑張って、共通の目的を遂げきるという流れは清々かったです。自国の活躍をみているようで。短絡的かもしれないけど、やれば出来る子的な話はやっぱり心躍ります。

 

リアルファンタジー?

超リアルだと感じさせる精密な物語と、圧倒的なファンタジー(ゴジラの存在)が見事にマッチしていたかと思います。最高のファンタジーは、最高のリアリティ(そう感じさせるだけの何か)とのリンクで成り立つのだなぁと思った(漫画だと『獣の奏者』とか、正にリアルファンタジーかと)。

リアルなファンタジーを定義する言葉があってもいいと思うのですが、どっかに便利な言葉はないものでしょうか。リアル(現実)とファンタジー(空想)の絶妙な塩梅が、「シン・ゴジラ」が支持される理由じゃないかと思います。

 

ゴジラがビーム吐いた時は「絶対羽根が生えて飛んでいくわ」って思っちゃいました。エヴァンゲリオン脳ですね。

映画館に見に行くだけの価値があった、素晴らしい映画でした。

異世界で願いが10個叶うなら? 恒川光太郎『スタープレイヤー』読了。

恒川光太郎、大好きです。

とはいっても私は大変恩知らずな読者なのです。恒川光太郎を楽しんではいるけど、中古本で買ってばかりの金を落とさないのですからw

私自身の財政的問題というのもありますが、彼の作品には何だか求めて手に入るイメージでは無く、どこかでふと出会いたいという手前勝手な願望持っているのです。

中古本の売っているお店で、探し、コンニチワ。ああそこにいたんですか。そんなある意味で運命的な出会いを繰り返して、今まで彼の著作を読んできました。

つい昨日、『スタープレイヤー』と出会いました。恒川光太郎の今までの作品には無い、明るく分かりやすい表紙に驚きつつも、購入し、読了したわけです。

スタープレイヤーとは

主人公の夕月は、あまり芳しくない過去のある、無職の女です。そんな彼女がクジを引いて「スタープレイヤー」を当て、異世界に転移させられたところから、この物語は始まります。

スタープレイヤーはその世界で10個の願いを叶えることができます。その世界は人がいて、動物がいて、街があって、でも地球ではないどこかです。

そんな世界で夕月は自分の過去を葛藤しながら、10の願いを叶えていきます。明快で、分かりやすいファンタジー小説だと思います。◯個の願いなんて、鳥山明の『ドラゴンボール』を彷彿させますし、特殊な力を持った地球人が異世界に影響を与えるという意味では、宮部みゆきの『ブレイブストーリー』もかなり似通った設定でしょう。

分類的にはハイファンタジーとか、異世界ファンタジーとかになるかと。一応、未読の方は先を読むのは控えたほうがよろしいかと。

ドラゴンボール 完全版 (1)   ジャンプコミックス

ドラゴンボール 完全版 (1) ジャンプコミックス

 

 

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

 

 

願いへの葛藤

まず思ったのは、今まで読んできた恒川光太郎の作品とは、あまりに違いすぎることです。異世界ものという意味では決してはずれてはいないのですが。何だか怪しさが無いというか、わかりやすすぎるというか、王道すぎるというか。今までの著作にあった「恒川光太郎」という明らかな個性があまり見えませんでした。

また10個の願いが万能すぎて、そのお手軽感が、どうにもこの物語全体の葛藤を軽くさせているようにも思います。『ドラゴンボール』なら願いは一つだし、ドラゴンボールを集めるのに数々のドラマがありますが、願いは初めから10個叶えれるし、それゆえドラマが無いし。

タブレット一つで叶う願いというのは、全能感はあるのですが、そこまでに積み上げてきたものが無いので、何だか拍子抜けな部分もありました。このような設定ならもう倫理面での葛藤があってもよかったよ思うのですが、それも薄かった気がしますし。

 

凡人的リアリティ

ただ、手軽に手に入る10個の願いというのは、私たちにリアリティを抱かせます。何か凄い努力をしたわけでもなく、選ばれし家系とかでも無く、必然性もありません。クジを引いたら当たったという、ただそれだけ。主人公は当然何個か願いを叶えるわけですが、その叶え方はあまり効率的とは言えません。

この手の話だと、主人公やその周りの人が考察し、華麗な願いの叶え方をして、それに読者が魅せられるというパターンが王道かと思われます。しかし、今回のお話はそのような爽快感や、納得感は存在せず、むしろあくまで人間臭い、人間らしい願いの叶え方をします。おおよそ一般的な人が異世界で10個の願いを叶えられるという状況になったら、こうなるかもなぁという具合です。

そんな、スーパープレーでない、あくまでも人間らしい、ある意味で身近なリアリティを感じる事ができました。

 

願いの文章化

願いの文章化という点は新鮮さを感じました。そこが願いの制限の大きな部分だと感じます。その文章化の過程も、もっと晒してもよかったかなと思います。一ヶ月かけて考えたのはイイんですが、それは一体どんな文章になったのかが気になりました。

特に私自身、建築の仕事をしているので、建物を文章化する難しさは想像を絶するものがあります。どのような願い方をしてそれを説明するのかには、大いに興味があったので、少々残念です。

考えてみると、絶対にディティールの部分でつまづきます。まずどこに建てるかを規定するのが難しすぎる。地球から北緯何度とか、住所とか書けば何とかなりますが、異世界で何を頼りに場所を規定しうるのか。自分で穴を掘って、私が掘った穴を中心に、とかですかね。

 

異世界で10個の願いを叶えるということ

それはそれとして、「異世界で10個の願いを叶える」という設定は、自分ならどうするだろうという読者の妄想を誘います。

私自身色々と考えたのですが、まずは世界のあらゆる情報が欲しいですよね。どれくらいの面積があるのか、どのような国があるのか、それぞれがどういう過程で出来上がり、それぞれにどのような感情を抱いているのか。それとも、この世界にはスタープレイヤーしかいなくて、願いを叶えて殺しあっているのか、何人くらいスタープレイヤーがいるのか。

そんな様々な情報がないと、願いを考える前提条件に至れていないと思うんですよね。そういうあらゆる情報を手に入れたいです。文章化して、願うことも可能な類のものだと思うんですけどね。

その上で、近くでドンパチやっているのであれば、やはり身の安全を一番に考えたいですよね。そういう意味で作中に出てくるさすらい人には共感を覚えていました。透明人間が願いとして叶うのかぁという思いも同時に抱きましたけどね。身につけたモノごと透明になれて、しかもオンオフ自分で調節可能って、万能すぎるでしょ。

でも透明人間って割りと攻略法とかあるイメージがあります。存在自体はそこにあるので、足あとや、周辺の草木の動き、それに伴う音なんかも有りますよね。まあ一番は圧倒的な物量で攻めることでしょうか。砂塵を起こすのもよいかもしれません。

そう考えると、肉体強化が妥当な線だと個人的には思うのですが、一体どういう風に願いを言えば良いのやら。肌を硬質化させたり、圧倒的なパワーを導入したりなどは考えれますが、どれも具体的でないし。

ただ必要なのはまさにオンオフ機能でしょう。人間は人間離れして日々を過ごすことに耐えられないんじゃないかなぁとも思うので。超人になることに、普通は誰もが忌避するかと思われます。みんなと同じような日常を過ごせないというのは、悲しい気がします。

作中で透明人間を選んだ彼女も、常時透明人間だったら、その選択を下せなかったように思います。

 

最後に

色々言ってきましたが、最終的に評価としては、良質なファンタジー小説といった所でしょうか。個人的には途中で書いた凡人的リアリティがこの小説の一番の魅力かと思われます。

恒川光太郎は新たな領域に挑戦されているのだと思います。実際、恒川光太郎がこのような作品を書けるということは驚きでした。新しいことに挑戦すること、既存の領域を出て他で勝負することは大変労力のいることです。それを素直に応援したいと思っています。

次回作が予定されているそうなので、出たら読むつもりです。どこかでその本と出会ったらの話しですけどね。