ひびひびもんもん

日々日々悶々と書き散らしながら

理系の博士号取得者の教員免許条不要制度が、概ねうまくいかないだろうなと思う理由。

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Yahoo!ニュース - 県立高校の採用試験に教員免許不要 来年度から理系博士号取得者 (紀伊民報)

上のニュースを見て書きます。内容は理系の博士号取得者が、教員免許条を取得していなくても和歌山県で教員採用試験を受験することができるようになったという話しです。

僕は四大の四年生です。教職課程を受け、今年工業高校で教育実習を行ってきました。卒業時に「工業」の教員免許を取得する予定です。今回のニュースの教員募集科目に該当します。
免許を取得するものとして、他人事ではないなと思ったので書きました。言いたいことを全て書いてしまったので、あまりまとまっていないです。ごめんなさい。

 

長くなったので目次です。

  • 免除科目が多い。
  • 高校の教員が教える講義に、深みは大して必要ない。
  • 現場が求めているのは若くて素直な人だ。
  • 博士号取得者は教え方がうまい“かも”しれない。
  • そもそも、教職課程を受験するチャンスは何度もあったはず。
  • 何だかんだ言ったけど、博士号取得者の受け皿は必要だ。
  • 結論

 

免除科目が多い。

免除するのは、第1次検査の3科目のうち「一般教養」「校種・教科専門」の2科目で、代わりに「作文」を追加する。第2次検査では4科目のうち「教職専門」を免除する。

博士過程で研究する事柄は本当に様々です。僕が学んでいる建築も、本当に色んな内容が学問の範囲になっています。博士課程で研究してきた方々、みんながみんな高校教員に必要な専門科目の知識を備えているとは思えません。

一般教養についても同じで、もちろん普通の四大卒よりはあるかもしれませんが、とても試験を免除にするほどだとは思えません。

教員免許条の有無はまだしも、一次試験の一般教養や専門教科の試験は受験させるべきだと思います。

 

高校の教員が教える講義に、深みはそんなに必要ない。

「専門性があれば深みのある授業ができる」と言う人もいるでしょうが、高校の授業で”深み”って必要なんでしょうか。ただでさえ日本は大学で基礎を深める時間が少ないと言われています。そんな中、高校の授業で基礎ではなく、その先を教える必要性があまり感じられません。むしろ基礎を重点的にやるべきです。

 

現場が求めているのは若くて素直な人だ。

現場が求めているのは、少なくとも博士号取得者じゃねーよと思います。高校教員という特殊な人間関係のある仕事場に馴染める「素直さ」と「若さ」を兼ね備えた人材が必要なのではないでしょうか。工業高校の場合はさらに「社会経験」も追加されるでしょう。

博士号取得者は若くて素直でしょうか。短くても27歳、遅ければ30を超えるでしょう。若いとは言いがたいです。では、素直でしょうか。普通の四大卒の人と比べれば、素直とは対極の位置にいる人が多いイメージがあります。自分の知識を振りかざす高飛車な人なんてもっての外。

 

博士号取得者は教え方がうまい“かも”しれない。

博士号取得者は塾講師、非常勤講師等で様々な経験を積んでいる可能性があります。大学教員顔負けの素晴らしい授業をする博士号取得者もいるでしょう。しかし、教員免許条取得者は「教育実習」を行っています。この期間は高校生に授業をしますし、研究授業では教頭先生など各先生方が見に来る中で授業をしなければなりません。また、そのための模擬授業も学校でしてたりします。

つまり、相対的に教員免許条取得者より博士号取得者の方が教え方がうまいとは到底思えません。もちろん、ケースバイケースなんですけどね。

 

そもそも、教職課程を受験するチャンスは何度もあったはず。

大学四年間、そして博士号取得まで五年間、その間教職課程を取るチャンスは何度もあったはずです。高校の教員は全く楽な仕事ではありません。学生時代、授業を九年間受け続けてきて(かつ塾講師や非常勤講師などの教えた経験もある)、高校で教員をする可能性に至らないのであれば、それはそもそも高校の教員の資質として少々欠けているように感じます。

思うに、高校の教員になる可能性がある博士号取得者は、そもそも教員免許条を取得しているのではないでしょうか。

 

何だかんだ言ったけど、博士号取得者の受け皿は必要だ。

博士号取得者の受け皿は、今、大変少ないのが現状です。たくさん研究して、それなりに成果を上げたとしても、就職先が無い、専門に関係ない職に就くなどザラです。「博士が100人いる村」をご存知ですか? 実際の統計に基づいた話しで、一〇〇人の博士号取得者のうち、一六人は無職で、八人は自殺します。博士号取得者の受け皿の少なさを示したわかり易い動画です。

そんな中、博士号取得者の受け皿を増やす今回の試みは、決して非難ばかりできるものではないと思います。

 

結論

最低限、これだけのことが必要だと思います。

・免除科目を減らすこと。

・継続的な研修やケアなどを行うこと。

・県教委は過度な期待をしないこと。

 

まあ、実際には募集してもそんなに来ないのではと思うのが、僕の心情です。高校教員の仕事の基本は事務処理です。専門的な内容に触れる時間は、そう多くありません。分掌(生徒指導、進路指導等)もつけられますし、休日は部活も多いです。まあ、よっぽどクビになることはありませんし能力が無くても給料は上がっていきますけどね。

博士号を取得し、その専門に心酔したり、こだわりのある人であればあるほど、高校の教員は向いていないと思います。かといって、こだわりの無い人に来てもらったら、それはそれで本末転倒。。。

 

というわけで、何だかんだ3時間くらい書いてました(遅すぎる)。主観や憶測だらけな部分や、間違った文章や理論もあると思います。その辺はコメントして頂けたら幸いです。

博士号漫画と言えば、コレです。おもしろいので是非読んでみてください。

 

高杉さん家のおべんとう 1

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